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志学の会 12月度勉強会で「地図の認知プロセス」について発表してきました

日本感性工学会 学生部会「志学の会」12月度勉強会にて、認知プロセスに関する文献調査&発表をしてきました。


今回は「地図の認知プロセス」を調べるため、人間と地図と認知地図(頭の中の地図)の関係について文献調査を行い、そこで得た知見を発表しました。

3行でわかる発表概要

  • ある空間に対して、人それぞれが頭の中に思い描く地図を「認知地図」という。
  • 「認知地図」は、ある場所に来た時に発火する細胞「場所細胞」のネットワークと密接に関係している。
  • 「場所細胞」の解明が進むまでは、地図を読むだけで「認知地図」を獲得できるか分からない。

今回の発表の意義

1. 「認知地図」の図解

「認知地図」について、図解する資料がネットに転がっていなかったため、その点は研究領域に貢献できたかと思います。
ただ、しっかり理解したい人には、都市のイメージ 新装版という書籍がおすすめです。
翻訳元の原著論文は被引用数15kを超える有名な論文ですし、関連知識もよくまとまっているため、入門としても最適でした。

2. 「認知地図」と「場所細胞」の関係示唆

近年は地図の基礎研究が下火になっている他、「場所細胞」の発見が最近であったこともあり、「認知地図」と「場所細胞」の関係を調査した文献は見つかりませんでした。
今回の発表で、そのネットワーク関係を新たな研究課題の可能性として示唆したことで、多少なり研究領域に貢献できたと思っています。

調査後の感想

国内の地図研究が意外と少なかったことに驚きました。
地図は軍事技術の一つでもありますから、今も盛んに研究がされていると思っていたのですが...。

そんな中、今も熱心に地図研究の論文を書いている方がいて、今回はその方の論文にかなり助けられました。
近日、地図研究の歴史をまとめた単行本を出版するみたいなので、是非買ってまた勉強したいと思います。