Hirosaji Tech Blog 🍙

Web開発の蚘事が倚め。絵垫支揎の蚘事も少し。

PyCon JP 2022 で「続・絵を読む技術 Pythonで読むむラストの心理戊略」を発衚したした

幎振りに珟地開催されたPyCon JP 2022に、個人名矩Hirosajiひろさじで登壇したした。

今回でPyCon JPぞの登壇は回目。
発衚内容は去幎の続線ずいう䜍眮付けでしたが、Stable DiffusionをはじめずするAI絵垫ぞの関心もあっお、想像以䞊に倚くの方に楜しんでいただけたした。

この蚘事では、そんな発衚の抂芁や䌚堎での質疑応答などをたずめたした。
たた、長くなったので別の蚘事に分けたしたが、発衚内容のメタサヌベむにも挑戊しおいたす。

発衚を芋た方でも芋おいない方でも楜しめる内容です。よろしくどうぞ。

むベント抂芁

  • 抂芁日本最倧玚のPythonナヌザカンファレンス
  • 日時2022幎10月14日金 2022幎10月16日日
  • 䌚堎TOC有明コンベンションホヌル
  • 公匏 HPhttps://2022.pycon.jp/

登壇内容

発衚内容


続・絵を読む技術 Pythonお゙読むむラストの心理戊略Hirosaji / ひろさじ, 30min

䞀蚀で蚀うず、むラストレヌタヌがむラストに蟌める戊略をむラストの技法曞をベヌスに䜓系化し、その戊略をPythonを亀えながら解説したした。
今回の発衚はその第匟第匟はこちらずいう䜍眮付けで、むラストの心理戊略にスポットを圓おたした。

むラストの心理戊略は、むラストの構成芁玠のうち心理に䜜甚しやすい色光キャラクタヌの芁玠を取り䞊げたした。
特に重点的に解説したのは、キャラクタヌの魅力を匕き出す定石ず、配色によるコンセプト蚭蚈に぀いおです。

たた、解説の合間に玹介したPythonスクリプトの趣旚ず芁玠技術は次の通りです。

  • 3D姿勢掚定モデルSMPL+ MeTRAbs でコントラポストを怜出
  • NudeNet モデルで露骚な衚珟を怜出
  • DeepWB + mixedillWB で自動ホワむトバランス
  • matplotlib による可芖化で配色コンセプトを分析
  • CarveKit で被写䜓ず背景を分離
  • ゚ントロピヌ蚈算で描き蟌みの倚い領域を掚定

詳しくは、スラむド資料たたは動画アヌカむブをご芧ください。

䌚堎で受けた質問ず回答

  • 人倖系絵垫はAIの孊習量が少ない。䞀般的な人を描く絵垫に競争負けするのでは
    しばらくはその通りだず思う。人倖系に限らず、孊習が少ないニッチ局の人たちは倧倉だろう。䞀応察策ずしお、䟋えば人の生成が埗意なNovelAIからは"構図"のみを参考にする、などむラスト党般のアむデアの䞀郚を抜出するこずはできる。
    たた、NovelAIにこだわらなければ、人倖系でも結構生成できるようだ。

    人倖系はニッチずはいえ、垂堎に䞀定以䞊の需芁があるため、これらの他にも人倖特化モデルが今埌できるこずには期埅しおいる。

  • AIもコントラポストなどの定石に沿った絵を出力する
    孊習時の入力に寄るがいた人気のNovelAIやWaifu Diffusionはその通りだろう。
    䞖に出回るキャラクタヌむラストは、倚くがコントラポストや性戊略などの定石に沿っおいるので、その定石を出力しがち。

  • JOJO立ちはコントラポストずいう理解で合っおる
    ほが正解。調べたら代衚的なJOJO立ちの倚くがコントラポストに沿っおいた。
    逞しい男たちに女性が埗意なコントラポストを取り入れるず、迫力ず矎しさが同時に衚珟できる、ずいう発芋をした荒朚先生はすごい。

  • 実際に絵を䜿うずきに、カラヌ分垃を䜿う䜜業はする時間短瞮に぀ながる
    時ず堎合、むラストレヌタヌのスタむルによる。䟋えば、ビゞュアルリファレンスから盎接カラヌパレットを䜜る堎合は、カラヌ分垃は最終確認くらいにしか䜿わない。
    しかし、事前に配色が決たっおいない堎合は、カラヌ分垃を随時参照するこずで、党䜓を俯瞰しながら配色を決めるこずができる。人間はシングルタスクしかできないため、色を塗る䜜業に限らないがは、どうしおも塗っおいる呚蟺の局所的な圩色バランスに集䞭しおしたいがち。するず、党䜓の配色バランスの再調敎がよく必芁になり、タむムロスが起こる。そのため、随時カラヌ分垃で俯瞰しながら党䜓の配色バランスを考えるのは時間短瞮に぀ながりやすく、最終的なむラストの品質を高く保぀効果が期埅できる。

  • 普段どんなツヌル゜フトりェアで描いおいる
    iPad Proか液タブにお、CLIP STUDIO PAINTずPhotoshopを䜿っお描いおいる。
    CLIP STUDIO PAINTは日本語の孊習資料が倚く、Photoshopは䞇胜ツヌルである点で、それぞれ囜内垂堎の芇暩を握っおいる。ただ、最近はProcreateも気になっおいる。お絵描きにPythonは䜿っおない

  • 蚘憶色か自然色かを分析する手法はあるか
    分類や粟床の高い回垰分析などは難しい。特に分析察象をむラストずするずずおも難しい。むラストに珟れる蚘憶色は、むラストレヌタヌの脳内の蚘憶色が䜿われる他、䞀郚にだけ蚘憶色を䜿うずいうデフォルメ手法もあり、なお分析が難しい。
    たた、蚘憶色に䞀貫した傟向があるかを調べた研究もある。蚘憶色は、実際の色よりも圩床や明床が高くなりがちだが、色やモノによっおその振れ幅が異なるMemory Colors of Familiar Objectsより。さらに、時間が経぀に぀れお、蚘憶色は倉化しおいく色蚘憶の再生による色の䞉属性の移行に぀いおより。
    以䞊より、人やモノによっお蚘憶色の解釈は異なるため、定量分析はたず難しいず考えおいる。

  • AIの画像を芋お「これは䜿えるな」ず思ったこずはたた実際に䜿ったこずは
    盎近では、発衚の最埌に玹介した絵柄孊習AIに可胜性を感じた。むンスピレヌションの元にしたり、描いたこずのないオブゞェクトを自分のスタむルでどう描けばいいかの参考になる。
    他にも、色ラフからシヌンに合ったカラヌパレットを䜜る事䟋も。

    このような実甚事䟋をただ私は持ち合わせおいないので、これから暡玢する。

発衚埌の反響

Twitterにお、発衚資料を茉せたツむヌトに倚くの反応いいねRTをいただきたした。

個人的に憧れおいた方々からの反応も頂けお、感無量でした...。

今埌の展望

これたでに積み䞊げたスクリプトで、簡単なサヌビスが䜜れたらず思っおいたす。
パッず思い぀いたアむデアずしお、䟋えばこんなサヌビスでしょうか。

  • むラストの評䟡配色ポヌズ焊点など
  • むラストの添削同䞊
  • 戊略が類䌌したむラストの怜玢同䞊

これらをたずめお、CI/CDを構築するのも面癜いかもしれたせん。
それから、AI絵垫ずの付き合い方に぀いおも匕き続き暡玢しおいく぀もりです。

発衚内容のメタサヌベむ

発衚埌は察面SNSにお、様々な属性を持぀方々むラストレヌタヌ、゚ンゞニア、デザむナヌなどず亀流したした。
たた、いく぀かの参加者のむベント参加レポヌトで、私の発衚ぞの感想を茉せおいただきたした。

倚くの方が、私の発衚内容を高く評䟡しお䞋さっおいたした。
䞀方で、リファレンスの倚様さに驚かれおいる方も倚くいらっしゃいたした。

こちらの方のツむヌトにもありたすが、むラストはさたざたな分野の知識䜓系や経隓則が凝瞮しおできた文化なので、その倚くをカバヌしようずするずサヌベむ論文のような様盞になっおしたいたす。
たた、むラストは孊術領域ではないので、あえおむラストの構造をロゞカルに再定矩する詊みは新鮮に芋えるようです。

そこで、むラストを科孊的に捉えるために必芁な知識や経隓の党䜓像を描くべく、発衚内容のメタサヌベむに挑みたした。

「むラストの心理戊略」のメタサヌベむ

分量が長くなっおしたったので、別の蚘事にしたした。

他に類を芋ない内容なので、読むのは倧倉だず思いたすが、読んで埌悔はしないず思いたす。興味ある方は是非。

「Python / ML」のためのメタサヌベむ

珟状では、むラストの意味解析を研究する事䟋はありたせん。
私もむラストの技法曞で調べたのちに、局所的に必芁な実装を集めるので、メタサヌベむは䞍可でした。すみたせん...。

䞀応、画像系のML事䟋はキャッチアップを続けおいるので、今埌うたくトピックをたずめられたら共有したす。

あずML系の情報収集に関連しお、「創䜜xML」のDiscordにお邪魔できたのは良い機䌚でした。興味ある方はぜひ。

終わりに

久しぶりの珟地䌚堎での登壇は、すっかり新鮮な䜓隓ずしお楜しむこずができたした。
珟地登壇のノりハりをすっかり忘れおしたっおいたので、これからたた少しず぀取り戻しおいきたい気持ちです。

しかし、改めお新鮮な気持ちでPyConに臚んだのは、私だけではなかったはずです。

久しぶりの珟地開催の準備・運甚に尜力しおくださったスタッフの皆さん、ありがずうございたした。 スタッフの皆さんも自ら楜しんで参加されおいたこず。䞍意のトラブルにも実盎に察応されおたこず。皆さんのPyConを支える真摯な振る舞いによっお、私たちはカンファレンスを安心しお楜しむこずができたした。

スポンサヌの皆さんも、ありがずうございたした。今回はい぀にも増しお、ノベルティの数が凄かったですね。 たた、珟地に甚意しおくださったデモやLT、曞籍の数々、どれも玠晎らしかったです。 䌑憩時間も関係なく、ずっずPythonに囲たれた気分でいられたのは、スポンサヌの皆さんの支えがあったからこそでした。

私の発衚やスラむドを楜しんでくれた皆さんも、ありがずうございたした。 私の思いの䞈をぶ぀けお、そこで返っおくる皆さんの反応はどれも優しく、勉匷になるこずが倚かったです。 去幎に匕き続き、むラストレヌタヌずいう別のドメむンの発衚内容も枩かく芋守っおくださり、本圓にありがずうございたした。

最埌に、PyCon JP 2022を盛り䞊げおくださった参加者の皆さんにも感謝でした。
やはりカンファレンスは楜しい。そう思えたのは、楜しい空気を共有しおくださった皆さんのおかげです。

ぜひ来幎もたた、みんなで䞀緒にPyConを盛り䞊げたしょう